骨董屋が解説!価値のある骨董品とガラクタの違いを簡単に見分ける方法

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骨董屋が解説!価値のある骨董品とガラクタの違いを簡単に見分ける方法

「実家の押し入れで見つけた古い壺、これってただのガラクタ?」「昔、おじいちゃんがお宝だって言ってた掛け軸、本当かな…?」
古い家を整理していると、価値があるのか分からない品物に出会うことがありますよね。自己判断で「どうせガラクタだろう」と捨ててしまって後で後悔したり、逆に不要なものを「価値があるかも」と溜め込んでしまったり…。

そんな悩みを抱える方のために、この記事では、骨董屋の視点から、価値の可能性を探るための簡単なヒントをご紹介します。「もしかしたら?」と思う品物を見分ける最初のステップとして、ぜひ参考にしてください。ただし、最終的な判断は専門家でなければ難しい、という点も正直にお伝えしたいと思います。

もしかしたらお宝?古い家によくある「要チェック」アイテム例

古いお家には、意外な「お宝」が眠っていることが少なくありません。「こんなものに価値が?」と思うような品物が、実は専門家の間では評価されているケースもあります。ここでは、よく見かける「要チェック」アイテムの例をいくつかご紹介しましょう。

例1:古い食器・陶磁器

 有名窯元(伊万里、九谷など)の銘があるもの、箱に入ったままの贈答品、欠けていないセット物など

例2:掛け軸・書画・版画

 作者のサインや落款(印)があるもの、古い表装(※状態が悪くても価値がある場合も)など

例3:昔のおもちゃ・人形

 ブリキ製やソフビ素材のもの、企業のノベルティグッズ、古いキャラクターものなど

例4:古銭・切手・古書など

 アルバムに整理された大量の切手や古銭、戦前の書籍や雑誌、古い絵葉書など

例5:昭和レトロ系の品々(扇風機、看板、ミシン等)

 古い扇風機、ホーロー看板、足踏みミシン、昔の家電、オーディオ機器、家具など

これらはほんの一例です。大切なのは「古い=汚い=ガラクタ」と決めつけないこと。まずは「おや?」と思ったものをピックアップしてみましょう。ただし、これらに当てはまれば必ず価値があるというわけではありません。あくまで「専門家に確認する価値があるかもしれない」というサインとして捉えてください。

初心者向け!「価値があるかも?」最初の簡単チェックポイント

ピックアップした品物について、専門家でなくても確認できる「価値の可能性を探る」最初のヒントを5つご紹介します。あくまで自己判断の材料ではなく、専門家への相談を検討するきっかけとして捉えてください。

① サイン・印・マークを探してみる

作者や製作者を示すサイン、窯元やブランドのマーク、刻印などがどこかに入っていないか確認してみましょう。底、裏側、目立たない場所にあることも多いです。有名な作家やブランドのものであれば、価値が付く可能性が高まります。

② 素材と作りをよく観察してみる

使われている素材(木の種類、陶磁器の土、金属の種類など)の質感や、作りの丁寧さ、重みなどもヒントになることがあります。量産品にはない、手仕事ならではの温かみや、時代の特徴が感じられるかもしれません。

③ 状態を確認する

大きな傷、割れ、欠け、ひどい変色、過去に修理された跡などがないか確認します。もちろん状態が良いに越したことはありませんが、古いもの特有の「味」や「古色」は、必ずしもマイナス評価になるとは限りません。
【注意点】 汚れていても自分で洗ったり磨いたりしないでください!価値を損ねる可能性があります。

④ 箱や付属品も一緒に確認する

共箱、二重箱、タトウ箱、鑑定書、説明書、購入時の包み布など、付属品が揃っていると価値が変わることがあります。本体だけでなく、関連するものも捨てずに確認することが重要です。

⑤ 全体の雰囲気・デザインから古さや特徴を感じるか

現代の製品とは明らかに違うデザイン、色使い、様式など、作られた時代の特徴を感じられるか見てみましょう。(ただし、古い時代のデザインを模倣した新しい製品もあるので注意が必要です。)

ただし、これらはあくまでご自身でできる簡単な確認点です。これだけで価値を正確に判断することは専門家でもない限り困難です。

自己判断は危険?価値を見極める難しさと注意点

簡単なチェックポイントを試しても、「結局よく分からない…」と感じる方がほとんどだと思います。それもそのはず、骨董品の価値を見極めるのは非常に難しい作業なのです。

なぜプロの目が必要?価値を左右する多様な要素

「古い」「珍しい」といった点だけでなく、品物の状態市場での人気(需要)、作られた背景や由来(来歴)芸術性の高さ、真贋(本物か偽物か)など、多くの要素が複雑に絡み合って骨董品の価値は決まります。これらの多様な要素を正確に見極め、現在の市場価値を判断するのが専門家の役割です。

よくある勘違い:「古いだけ」「手作りだから」で価値は決まらない

単に古いもの、手作りのものが全て高価とは限りません。大量生産された古いものや、趣味で作られたものなども多く存在します。

贋物(がんぶつ)や巧妙な修理品の可能性も

価値の高い作品や有名な作家のものほど、残念ながら精巧な贋物(がんぶつ)、つまり偽物が多く出回っています。また、一見きれいに見えても、過去に割れや欠けを非常に上手に補修(修理)している場合もあります。こうした修理跡は価値に大きく影響しますが、素人目にはほとんど分かりません。特に茶道具などは、わずかな傷も厳しく評価される傾向があります。これらを見抜くには、やはり専門的な知識と経験が不可欠です。

「我が家のお宝」という言い伝えは参考程度に

ご家族に代々伝わる「これはお宝だ」という話も、もちろん大切ですが、必ずしも市場価値と一致するとは限りません。客観的な評価が必要です。

自己判断で価値を低く見積もり、実は高価なものを安価で手放してしまった…というケースも残念ながら耳にします。特に、いざ整理を始めても「どこから手をつけていいか分からない」「とにかく早く物を減らしたい」という焦りから、よく確認せずに「えいやっ」と捨ててしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。ですが、その捨てたものの中に、後で「あれはもしかして…」と後悔するような品が混じっている可能性もゼロではありません。焦って処分を決める前に、少しでも気になるものがあれば、必ず一旦保管して専門家の意見を聞く、というステップを挟むことを強くお勧めします。

最終的には専門家の目で!後悔しないための相談ステップ

これまで見てきたように、ご自身で価値を判断するのは非常に難しいものです。後悔しないためには、気になる品物は専門家に見てもらうのが一番確実で安心な方法と言えるでしょう。

なぜ骨董品は専門家への相談が重要なのか?

専門家は、豊富な知識と経験、最新の市場データに基づいて、品物の価値を正確に評価します。真贋を見極め、もし売却を考える場合にも、どのような方法が最適かアドバイスをくれます。安易な処分や不当に安く買い叩かれたりするリスクを避けることができます。

専門家への相談方法(主な3種類を比較)

最近では、気軽に相談できる方法も増えています。ご自身の状況や品物に合わせて、相談しやすい方法を選んでみましょう。主な3つの方法の特徴は以下の通りです。

■ 写真での簡易査定

  • 特徴・流れ: スマホ等で写真を撮り、メールやLINEで送付。後日、概算査定額や見解が届きます。
  • メリット:
    • とにかく手軽に依頼できます。 
    • 複数の業者に同じ写真を送って比較検討しやすいです。
    • 自宅にいながら査定の申し込みが可能です。
  • デメリット:
    • 現物を見ないため、査定の精度は低くなります。
    • 最終的な価値を知るには、結局、現物査定が必要です。
    • 業者によっては返信に時間がかかることもあります。
    • 自分で「価値がありそう」と思う物だけを選んで撮りがちで、意外な「お宝」を見逃す可能性があります。
  • こんな人におすすめ:
    • まずは品物に価値があるかどうかの可能性だけを知りたい方。
    • 忙しくてなかなか時間が取れない方。

■ 店舗への持ち込み査定

  • 特徴・流れ: 品物を自分で直接店舗へ持って行きます。専門家が目の前で査定し、評価について詳しい説明を受けられます。納得すればその場で売却・現金化できる場合が多いです。
  • メリット:
    • 査定員に直接質問や相談ができます。
    • なぜその評価になったのか、理由が分かりやすいです。
    • すぐに現金化したい場合に便利です。
  • デメリット:
    • 品物を店舗まで運ぶ手間がかかります。
    • 壊れやすい物、サイズが大きい物、重い物には不向きです。
    • 事前に予約が必要な店舗もあります。
  • こんな人におすすめ:
    • 査定してほしい品物の点数が少ない方。
    • 専門家と直接対話して、納得してから判断したい方。
    • 自宅の近くに信頼できる店舗がある方。

■ 出張査定・出張買取

  • 特徴・流れ: 事前に予約した日時に、専門家が自宅まで訪問してくれます。玄関先や室内で品物を確認し、その場で査定を行います。査定額に納得すれば、そのまま品物を引き取ってもらえる場合が多いです。
  • メリット:
    • 品物を運ぶ手間が一切かかりません。
    • 品物の量が多くても対応してもらえます。
    • 壊れやすい物、重い物、大型の品物でも安心です。
    • 査定から売却(引き取り)まで自宅で完結できます。
  • デメリット:
    • 訪問日時を事前に調整する必要があります。
    • 業者によって対応できるエリアが限られている場合があります。
    • 査定員を自宅に招き入れることになります。
  • こんな人におすすめ:
    • 整理したい品物の量が多い方、大型の品物がある方。
    • 品物の持ち運びが難しい、または避けたい方(高齢者、車がない方など)。
    • できるだけ手間をかけずに整理を進めたい方。

【出張査定・出張買取について】
出張査定はとても便利で頼りになりますね。依頼する際には、まず「無料」で対応してもらえる範囲を確認しておくと安心です。「査定料・出張料・キャンセル料無料」とされていても、どのような場合に費用が発生するかは確認しておきましょう。特に、相続手続きに必要な「時価評価額証明書など」の発行や、その場ですぐに売却に至らない品物の査定・相談などは、無料の範囲外として書類作成料や相談料などがかかるケースがありますので、事前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

相談前に準備しておくと良いこと

どの相談方法を選ぶにしても、よりスムーズな相談のために、事前に以下の点を整理・準備しておくと良いでしょう。

  • 品物の写真: (写真査定や事前連絡の場合)全体像、細部、気になる箇所(サインや傷など)、箱や付属品など、複数の角度から鮮明な写真を撮る。
  • 分かる範囲での情報: いつ頃から家にあるか、誰から譲り受けたか、など、品物の来歴に関する情報をメモしておく。
  • 聞きたいことリスト: 不安な点や確認したいことを事前にメモしておく。
    (「これは〇〇という作家で間違いないか?」「もし売却する場合、どのような方法があるか?」など)
  • 付属品の準備: 共箱や鑑定書など、関連するものは全て揃えておく。
  • ご自身の希望(任意):
    • いつまでに整理・売却したいか? (引っ越しや相続などの期限があれば伝える)
    • 値段がつかなかった品物をどうしたいか? (持ち帰るか、処分(可能なら引き取り)を依頼したいか、など)
  • 【査定の裏側と、相談時の心得】
    専門家が査定で何を見ているか、少し気になりますよね? もちろん、詳しい査定ポイントは別の記事でじっくり解説しますが、実はサインや状態といった分かりやすい部分だけでなく、素人目にはなかなか分からないような筆遣いの勢いや釉薬の微妙な色合い、時代の特徴を示す細部の作り込みなど、様々な角度から総合的に価値を判断しています。「これはどうかな?」と思う品物ほど、プロの目を通す意味があるのです。
    そして、実際に査定を受ける際には、提示された金額だけを聞いて終わりにするのではなく、「なぜその評価額になったのか」という『根拠』を遠慮なく質問することが非常に大切です。なぜなら、骨董品はその性質上、ジャンルごとの専門性、贋物(がんぶつ)を見抜く力、市場の動向を読む知識など、査定員の技量や経験によって評価が大きく変わる可能性があるからです。評価の理由をしっかり聞くことで、あなた自身も納得でき、信頼できる相手かどうかを見極めるヒントにもなります。

まとめ:気になる品物は、まず専門家へ相談の一歩を

古い家で見つけた品々。「ガラクタかな?」と思っても、もしかしたら思わぬ価値が隠れているかもしれません。この記事では、その可能性を探る簡単なヒントをご紹介しましたが、ご自身だけで価値を正確に見抜くのは非常に難しいということもご理解いただけたかと思います。

最も大切なのは、自己判断で「価値がない」と決めつけて、後で後悔するような事態を避けることです。少しでも気になる品物があれば、まずは信頼できる専門家に相談してみることを強くお勧めします。

価値を知ることは、その品物をどう扱うか(大切に保管する、誰かに譲る、あるいは売却する)を決めるための重要な第一歩です。この記事が、あなたの「気になる品物」と向き合い、適切な選択をするためのお役に立てれば幸いです。

ご自宅に眠る品について、「これはどうなんだろう?」と疑問に思ったことや、専門家に相談した経験などがあれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

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